『細胞の分子生物学(第7版)』を読もう

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細胞の分子生物学(その33)

 現在2022年4月13日18時22分である。(この投稿は、ほぼ3083文字)

麻友「良い世の中に、なったわね」

私「見てたか」

結弦「何の話?」

麻友「太郎さんが、一昨日(2022年4月11日)、この分子生物学のブログで、あの、私を鬼とする投稿を、書いてたの。本当は、川口加奈さんは、登場せず、CELL の本文に、入るはずだった。でも、薬飲んだら、眠くなっちゃったのよね。そのとき、2週間前に、ビデオから、何度も巻き戻して、書き取った、『プロフェッショナル 仕事の流儀』の、会話の原稿があるのを、思い出した。それで、太郎さんは、その日書いた鬼の投稿を、その仕事の流儀の原稿の上に、コピペしたのよ。そうして、私は、鬼扱いされ、マザーテレサも、世に出たというわけ」

私「麻友さんが、良い世の中になったと、言ったのは、そうやって、ほかのブログに、内容を持って行っちゃったのに、クラウドには、この『細胞の分子生物学(その33)』という題名は、残っていて、今日、迷うことなく、投稿が始められたことなんだ」

若菜「確かに、初め優しかったお母さんが、途中から、鬼になって、どういうことだ? という感じでしたね。計算ミスしたのも、眠かったからなんでしょうね」


結弦「とにかく、始めよう」

私「よし」


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DNA複製(DNA replication)の速さは細胞のタイプごとに異なり,開始や停止の制御も,過程を助ける補助分子も異なるが,DNA が遺伝情報の保持装置であり,“鋳型を用いた重合(templated polymerization)” がその情報の複製方法であることは生物界に共通である。




すべての細胞は遺伝情報の記されているところを転写して同じ情報をもつ中間体(RNA)を作る

DNA が情報を担うという務めを果たすには,自身の複製以外にもなすべき仕事がある。情報を用いて細胞内の別の分子の合成を指令し,情報を発現させる(express)ことである。この発現のしくみも全生物に共通で,RNA とタンパク質という2種類の重要な重合体を作る。この過程(第6章および第7章で詳しく述べる)は,転写(transcription)とよばれる鋳型重合で始まり,DNA の一領域が鋳型となって,DNA とよく似た,しかし短い重合体であるリボ核酸(ribonucleic acid,RNA)分子が合成される。RNA 分子の多くは複雑な翻訳(translation)という過程に進んで,化学的にまったく異なる重合体であるタンパク質(protein)の合成を指示する(Fig.1-4)


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Fig.1-4 DNAからタンパク質へ。

遺伝情報は2つの段階によって読み出され,使われる。まず,転写(transcription)で,DNA の一領域が RNA 分子の合成を導くのに使われる。次は翻訳(translation)で,この RNA 分子がタンパク分子の合成を導く。



 RNA の鎖は DNA とは少し違う糖(デオキシリボースではなくリボース)からなり,塩基としては4種類のうちの1つチミン(T)の代わりにウラシル(U)が使われるが,残りの3種類(A,C,G)は同じである。これら4種類の塩基は DNA の相補的な相手と対を作る(RNA の A,U,C,G が,DNA の T,A,G,C と対を作る)。転写の際には,RNA の単量体が DNA を鋳型として重合していく。そのしくみは,DNA の複製時と同じである。こうして,DNA 用とは異なる RNA 用の単量体が使われてはいるが,細胞の遺伝情報の一部を忠実に写し取ったヌクレオチド配列の重合体ができる。

 DNA の同じ領域を何度も使って,同じ配列の RNA 分子がたくさん合成される。細胞が DNA という形で保持している遺伝情報は厳密で動かしがたいものだが,これらの転写産物 RNARNA transcript)はたくさん生産され,使い捨てられる(Fig.1-5)。後で述べるように,これらの転写産物は遺伝情報を受け渡す中間体として働き,特にメッセンジャーRNA(messenger RNARNA])として,DNA に記された指令に従うタンパク質の合成を導く。


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Fig.1-5 遺伝情報が細胞内で使われるしくみ。

すべての細胞には DNA のセットがあり,遺伝情報の格納庫となっている。この DNA の特定領域を用いて同じ転写産物 RNA が何回も合成され,これらの転写産物 RNA が格納庫内の情報の実働的な写しとなる。細胞の DNA 配列からさまざまな部分を転写することで,RNA 分子のセットは何通りも作れる。このため,保持している情報は同じでも,細胞のタイプごとに異なる使い方ができる。



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私「今日は、かなり頑張ったので、ここまでで、本文は、止めよう」

若菜「前回は、スキャンしただけだったから、荒っぽく通りましたよね」

私「若菜は、この次のページで、遺伝の神秘が分かったみたいなこと、言ってたな『細胞の分子生物学(その26)』のときだ」

麻友「あの説明を、スキャンでなく、ちゃんとやって欲しいわ」

私「今回、手書き原稿も、用意したんだ。絵は下手だが、ポイントは押さえてある」

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若菜「凄い。研究ノート2 118~119ページ」

結弦「この UGA が、停止とか、本物の生物も、そうなってるの?」

私「始めのうち、適当に、A,T,G,C を並べてたんだけど、途中から本気になって、マックでそばにあった電子辞書で、ブリタニカ国際大百科事典開いて、『コドン』と検索して、『メッセンジャーRNA』へジャンプ、そして、『mRNA上のアミノ酸の暗号』の解説を、タッチして、本当のコドンの使われ方道理に、並べたんだ。アミノ酸を、3つ並べる積もりだったのに、最後、停止コドンが、来ちゃった」

若菜「これが、transfer RNA の本当の形ですよね。お父さんの絵の方が、意味は伝わりますが」

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麻友「この、転写-翻訳 という発見、数学だったら、どれくらいの発見?」

私「問題なく。オイラーの公式レヴェル。この千ページの本で、最高の感動だよ。DNA から、タンパク質決定できるなんて、10億年で、宇宙で1回しかなかったかも知れない」

結弦「新型コロナウイルスが、来なかったら、この感動も、なかったかも知れない。この宇宙は、良くできているよ」

麻友「じゃあ、今晩は、おしまい。おやすみ」

若菜・結弦「おやすみなさーい」

私「おやすみ」

 現在2022年4月13日21時17分である。おしまい。