『細胞の分子生物学(第7版)』を読もう

分子生物学・医学に、私達が手伝えることはないかと、確かめようという試みです。スマホで、PC版の表示をさせたい人は、印刷をするときなどのてんてんてんというボタンにタッチして、メニューから、PC版サイトをクリックして下さい。

細胞の分子生物学(その45)

 現在2023年11月6日21時44分である。(この投稿は、ほぼ1374文字)

麻友「これ以上、詮索しないと、言ってたけど」

私「前から順に読んで行って、分かるぶんには、良いんだよ」

若菜「なるほどそうですか」

結弦「続くのかなあ」


私「じゃあ、スキャン原稿持ってこよう。これの6ページの、下から9行目からだったな」


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RNA をタンパク質に翻訳する方法はすべての細胞で同じ

DNAの二重らせん構造が遺伝の基礎であることが初めてわかった1950年代,DNAの情報がどのようにしてタンパク質の生産を指示するのかは完全な謎だった。しかしその後,洗練されたいくつもの機構が関与していることがわかった。遺伝情報を,核酸の4種類の文字配列からタンパク質の20種類の文字配列に翻訳する過程は複雑である。この翻訳に働く規則は(わずかな例外を除き)全生命体に共通である。それは,無駄がなく合理的とも見えるが,奇妙なほどいいかげんにも見える。このいいかげんさは,生命の歴史の初期に偶然生まれたものだが,今も受け継がれ,すべての細胞の中にしっかりと刻み込まれてしまったので,これなしには生命は成り立たなくなっている。


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           (『細胞の分子生物学(第6版)6ページより)

麻友「真面目に、頑張った。ところで、ここの、『いいかげんさ』って、何?」

若菜「お父さんに、答えられるのですか?」

結弦「6ページのスキャン原稿で、お父さんが、『光学異性体のことか?』と、メモしている」

私「以前、『なぜ天然のものが良いの?』という長い投稿、

mayuandtaro.hatenablog.com

で、持ち出した、右手と左手の関係にある化学物質の、一方だけを生物はつくるという話。どうして、現在の方になったのか? いい加減な選択とも取れるけど、量子力学の計算で、自発的対称性の破れと呼ばれる現象がある。元日本人の南部陽一郎が、2008年のノーベル物理学賞を受賞した理由だ。それを、計算すると、現在の生物が選んだ方が、ほんのちょっと、出来やすい。どちらも同じように、つまり左右対称でなく、対称性が自分から破れていたという理由で、決着が付く。でも、ほんのちょっと、出来やすかっただけなんだよ。生物っていい加減。そして、以後35億年以上、全部、それに従っちゃった。おそろし~」

麻友「太郎さん。今、寝る前の薬、飲んでる。本当は、21時までに、飲まなければ、ならなかったんじゃない?」

私「薬飲むと、明らかに、脳の回転数が、落ちる。上の面白い話を書くには、飲む前でなければならなかった」

若菜「一応書いたのですから、寝なければ」

私「これで、『細胞の分子生物学(第6版)』は、6ページまで、消化したぞ」

若菜・結弦「おやすみなさーい」

麻友「おやすみ」

私「おやすみ」

 現在2023年11月6日23時11分である。おしまい。