『細胞の分子生物学(第7版)』を読もう

分子生物学・医学に、私達が手伝えることはないかと、確かめようという試みです。スマホで、PC版の表示をさせたい人は、印刷をするときなどのてんてんてんというボタンにタッチして、メニューから、PC版サイトをクリックして下さい。

DNAの冒険

 現在2021年4月14日21時05分である。(この投稿は、ほぼ2107文字)

麻友「とうとう、ヒッポの冒険、全部揃った」

私「実は、東京へ向かう車中で読んでいって、叔父さんと叔母さんと従姉妹と、そして実は、あの頃まだ存命だったお婆ちゃんの前で、

『理学部の学生が、こんな本で勉強してちゃいけないんだけど、むしろ高校生が読むべき本なんだけどね』

と言って、『量子力学の冒険』を、見せた。従姉妹は、7つ下だから、まだ中学生だったのだが、叔母さんは、従姉妹のために、『フーリエの冒険』と『量子力学の冒険』を、購入したらしいと、後で妹から聞いた」

若菜「『DNAの冒険』は、買わなかったのでしょうか?」

私「だから、私が、気が狂った後にならなければ、『細胞の分子生物学(第3版)』の訳本は出てないんだよ。『DNAの冒険』は、その後なんだ」

結弦「何年出版?」

私「1998年3月21日初版」

結弦「お父さんの頭が、取り返しの付かないことになった後か」

麻友「そうすると、他の2冊と違って、太郎さんも、『DNAの冒険』は、初見なのね」

私「そうだ。今日少し読んでみて、相対論のブログで、『細胞の分子生物学』(~その18)を始めたけど、麻友さん達が、今ひとつ理解して付いてきていないな、と、感じていた原因も分かった。麻友さん達には、この『DNAの冒険』を、副読本として、読んでいかないと、分からないことだらけなんだね」

若菜「お父さんは、どうだったの?」

私「大学2回生の終わり頃、『細胞の分子生物学(第2版)』の訳本を読んでいたのは、本当だ。第4章までは、読んだ。量子力学の確率的な物の扱い方に、人間の自由意志というものが、かっちりはまって、生命の神秘が解けると感じた」

結弦「生命の謎を解きたかったの?」

私「そんなに簡単に解けるとは思ってなかったけど、解けそうな気がした」

麻友「4章まで読んだだけにしては、良く知ってるじゃない」

私「こういうところが、京都大学の良いところなんだけど、3回生になって、別段科目登録しなくても、科目別ガイダンスで、面白そうに思えた授業は、勝手に出席しても良い」

若菜「じゃあ、何のために、科目登録するんですか?」

私「あるとき、数学科のガイダンスをしていたとき、主任の先生が、

『どの学科(数学科、物理学科、化学科、生物学科、地学科、宇宙物理学科、・・・)に、登録するか、というのは、どれだけ予算が回ってくるか、というのに繋がってくるんです。だから、必ずどこの学科かには、登録して下さい』

と、言ったので、ベールは、剥がされた」

若菜「お金のためですか。そういう本音を聞けるのも、京都大学ならではですね」

麻友「それで、3回生になってから、分子生物学の授業に出たのね。2年間のブランクは、埋められたの?」

私「『細胞の分子生物学』とは違って、『ワトソン遺伝子の分子生物学(第4版)上・下』という本を、指定している科目があった。

面白いかな? と思って、差し当たって『細胞の分子生物学』は、これ面白いよと、父に貸して、ワトソンの方を、読み始めた。だが、あまり面白く感じなかったんだ。やっぱり一目惚れじゃないけど、分子生物学をワクワクしながら『細胞の分子生物学』で読んでいった感動は、再現できなかった」

結弦「試験は、合格したの?」

私「3回生の夏、分子生物学の女の人に失恋し、精神も病んで、試験は受けたけど、授業で習ったことみんな思い出せなくて、学生が恋愛すると成績が下がるというのを、体現してしまった。評価は不合格」

結弦「なんだ、駄目だったんじゃない」

若菜「あっ、でも、良い先生にも、巡り会ったんですよね。相対論のブログの『小林りんさん、しごくなあ』という投稿で、最後の授業で、『DNAを、複製するものを、分子生物学では生物と定義して、研究するのだと』と、教えてくれたと言っていた」

私「3回生も、成績は悪かったが、非常に多くのものを、吸収した。これと、並行して、上野さんのゼミにも出ていたんだからねえ」


麻友「太郎さん。十分に、京都大学を堪能したのね」

私「うん。ただ、4回生で、中退したけど、父母は休学という状態にして、戻れる可能性に賭けた。そのために、その後3年間、学費を半額払ってくれていたらしい」

麻友「戻れなかったの?」

私「今の私を見ている麻友さんには、想像できないだろうけど、本当に自分でも、『こんなんで、京都大学に戻っても、単位取れないなあ』と、辛い日々だった」


結弦「でも、『ワトソン遺伝子の分子生物学(第4版)』も、『細胞の分子生物学(第2版)』も、その後(第7版)、(第6版)になった。楽しみだな」

麻友「今日は、ここまでにしましょうよ」

私「じゃあ、おやすみ」

若菜・結弦「おやすみなさーい」

麻友「おやすみ」

 現在2021年4月14日22時56分である。おしまい。