『細胞の分子生物学(第7版)』を読もう

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細胞の分子生物学(その26)

 現在2021年9月3日20時56分である。(この投稿は、ほぼ2818文字)

私「このブログで、説明する。と言いながら、滞っていて、申し訳ない」

麻友「なぜか、なんて、いいわ。始めて」

結弦「6ページまで、進んでたね」

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若菜「6ページの一番下の段落からですね」

私「私と比較して、化学の知識が不足している、3人は、


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・・・完全な謎だった。しかしその後,洗練されたいくつもの機構が関与していることがわかった。


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というような記述は、探偵小説でも読むように、『本当に、完全な謎なんだ』と、いくつものジグソーパズルのピースを、あてはめるように、いっぺんに全部分かるのは、無理と思って、読んで欲しい」

若菜「下から3行目の『このいいかげんさ』というのに、お父さんが、アンダーラインを引いて、『光学異性体のことか?』と、メモしてますが」

私「これは、昔々、『女の人のところへ来たドラえもん』のブログで、『なぜ天然のものが良いの?』という投稿をしたとき、鏡に映して対称になるものを、光学異性体と言うという話をした。生命は、その一方だけしか、使わない。ワンダエクストラショットは、それを利用して、右左の両方を混ぜたから、糖度が、ゼロなのかも知れないね。と、話した」

麻友「ああ、思い出した。それが、最初の生命が、どちらかだったから、その後、全部、そうなっちゃったのよね」

私「そう、そのニュアンスを、つかんでくれれば、ここで、アルバーツ達が、言っていることが、分かると思う」

結弦「生物学の本でも、行間を読んでいる」




 現在2021年9月4日17時34分である。

私「昨晩は、ここまでしか、書けなかった。眠くなり、眠ってしまった。今日、続きを書くこととする」

麻友「7ページに進むということね」

若菜「ヌクレオチドって、A,T,G,Cですよね」

私「そう。ただ、RNAの場合、A,U,G,Cとなる」

結弦「お父さん、そのA,U,G,Cが、本当に並んでいるところを、顕微鏡か何かで、見たことあるの?」

私「それは、見てみたいけど、実際には、見たことない。というか、それは、ほとんど無理だと思う。だって、ヌクレオチドって、核酸という分子で、原子が、40個くらいかな? つながった分子だから、昔やったけど、原子って、半径1オングストロームくらいだから、{10^{-10} \mathrm{m}} で、100倍しても、{10^{-8} \mathrm{m}} 。これは、{0.01 \mathrm{\mu m}} ということで、後で、色々なものの、電子顕微鏡写真が、出てくるけど、その写真の、点にしか、ならない」

結弦「でも、今では、人間ひとりの、全DNA配列(ゲノム)が、半日で分かるんでしょう?」

私「不勉強で、申し訳ないけど、どうやって、DNA配列を決定しているのか、その原理は、まだ知らないんだ」

結弦「じゃあ、分からないことリストとしておこうよ」

麻友「『どうやって、ヒトのゲノムを、半日で、決定できるのか、まだ分からない』というので、どう?」

若菜「いいですね。それでこそ、何が分かってて、何が分かってないか、ハッキリさせる、ゼミですよ」


私「さて、7ページを読んでいくのだが、・・・」

結弦「RNAって、mRNA の他にも、transfer RNA というものが、あるんだね」

麻友「コドンとか、アンチコドンとか、あって、『4種のヌクレオチドから3個の並びを選ぶ方法は {4^3} 通りあるので,64通りのコドンが可能であり,実際にも使われているが,・・・』と、あるけど、例えば、ATT と、TTA は、同じ並びなんだから、{4^3} 通りより、少なくならない?」

私「最初は、誰でもそう思う。これねぇ、実物見せちゃうのが、一番なんだ。この段落の最後に、『翻訳過程の詳細は第6章で述べる』と書いてあるでしょう。第6章から、決定的な絵を、写してきた」

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麻友「何これ?」

私「これが、transfer RNA つまり、tRNA そのものなんだよ。一番下に、今は、GAA となってるでしょう。ここが、AAA、AAC、AAG、AAU、・・・、UUU、と、変化して、そのそれぞれの場合に、図の上の、結合したアミノ酸(Phe)(この場合フェニルアラニン)が、変化するんだよ」

麻友「ちょっと、何を言ってるのよ。AAA、AAC、AAG、AAU、・・・、UUU、と、変化してって、どういうこと?」

私「変化してっていう言葉は、悪かったけど、要するに、全部の場合の、tRNA が、細胞の中には、存在するんだよ。ただ、厳密に言うと、そこで遺伝情報ストップの号令をかけるために、UAA、UAG、UGA、の3つは、tRNA が、ないんだけど」

若菜「えっ、これが、遺伝情報の、翻訳ですか? ものすっごく凄いことを、知った気がするんですが」

私「だろう。『細胞の分子生物学(第2版)』で、これを読んだとき、私も、手が震えるほど感動した」

麻友「えっ、翻訳? ちょっと待って、mRNA は、どうなったの?」

私「DNA の2重ラセンの一部がほどけて、そこに、RNAが、相補的に、並ぶ。なぜ並ぶかには、RNA ポリメラーゼ という触媒が、関与するんだけど、とにかく並んだものの一部が、mRNA となる。この mRNA の持つヌクレオチドの配置は、コドンの状態だ。そして、その mRNA に、アンチコドンの状態、すなわち、相補的なヌクレオチドの配置を持った、tRNA が、ひとりひとつずつ、アミノ酸を持って、並ぶ。これで、タンパク質ができちゃうんだから、今から35億年くらい前に、誕生した、生命って、凄いよなあ」

麻友「(うっ、ごくっ、)そういうこと?」

結弦「でも、第6章まで、読まないと、これは、分からないの?」

私「第2版では、もっと前に、この説明が、あったんだよ。だから、見通しが良かった。教えるべき内容が増えて、楽しみが後ろに送られてしまったのは、残念だね」

麻友「もう、22時25分だわ。今日の話は、面白かった。本文7ページまで、読んだことにするわ」

私「じゃあ、次回8ページからだね」

若菜・結弦「おやすみなさーい」

麻友「おやすみ」

私「おやすみ」

 現在2021年9月4日22時30分である。おしまい。